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島実蔵の商品先物十八番勝負

第五章 凄腕といわれる投資家になるための心得 

其の十六 本当の醍醐味は、ハイリスクハイリターンにあり

投機と投資の違いをご存じですか。辞書によると「投機」は市価の変動を予想して、差益を得るために行う売買取引であり、「投資」は将来を見込んで金銭を投入することだそうです。投機speculationには「考察」「推量」の意味があり、投資のinvestmentには「出資」のほかinvestigationになると「入念な調査」に研究や吟味の語意も含まれますから、区別は学者先生でもはっきりしません。

銀行の金利のように「確実に儲かるものが投資」だと言い切ったエライ(と思っている)商取関係者がいましたが、貯金の保証限度1千万円まで、金利を上回る物価高騰になったら知らんぷりです。「歌う不動産屋」や「プロ野球・投げる不動産屋」が投資の名人としてチヤホヤされましたが、地価神話が崩壊すると「ドジで間抜けな投機家」と、週刊誌でボコボコにされました。

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ジョージ・ソロスは「投機とは成功した投資、投資とは失敗した投機」だと笑い飛ばしたそうですが、投機にはネガティブなイメージが強く、商品先物も投機のカテゴリーにはいります。

では投機と投資はどっちが面白いのかとなると、これは一方的に「投機」に軍配があがります。福沢諭吉の娘婿で、相場師として巨利を得た福沢桃介は、「金を儲ける上で一番面白いものは相場だ。その理由は投機だからだ」(米穀新聞・点描)と語ったそうですが、スリルとサスペンス、ドキドキ、ハラハラを充分満足させてくれ、その上、日本経済のお役に立つのですから文句のつけようがありません。

面白い理由はハイリスクハイリターンだからです。損をするか一獲千金かの夢の世界ですから、痛快でないわけがない。

間違って銀行預金と同じだと思っているあなた、元本保証だと思っているあなた、280年の歴史と文化を味わう資格にはまだまだですね。出直していらっしゃい、ねっ坊や。

其の十七 情報はたくさん集め、推理し、どんどん捨てる

投機speculationには「熟考」「考察」「憶測」「推量」の意味がありますが、相場に勝利するコツもここに凝縮されています。

取引をはじめる契約(約諾書、通知書、印鑑届けetc)が終ると、日本ユニコムさんからたっぷり情報がとどきます。取引の方法や必要になる取引証拠金の額や手数料などは当然として、嬉しいのは銘柄ごとの特性やこれまでの動向。それと今後の値動きを予想したメディアや専門誌からの情報でしょう。

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日本ユニコムさんの外務員(営業担当者)は、いまガソリンを買えとか金を売れとかといった、相場の「断定的判断」はしません。そんなことをされては投資家も楽しみが消えしまい迷惑ですから、もしも言われたら断固抗議してください。

商品先物取引がなによりも楽しいのは、いま面白そうな銘柄はどれが、売り時か買うべきか、何枚(数量)がいいのか、いつ出動したらいいのかを「推理」「推測」するドキドキ感です。これを奪われてしまったら先物取引の意味がありません。

もちろんプロのアドバイスや助言はとても大事ですが、誰がやったところで儲かる確率論だけは50%です。「おい、このコーヒー、儲かるのは買いか売りか?」と訊いたら、「お客さまの楽しみを奪うほどヤボじゃありませんよ」とウインクして返した憎いヤツ。この手のタイプが多いのですよねぇ、日本ユニコムさんには。

絶対に欲しい助言は、預けた証拠金でいくら建玉(発注)ができるのか、報告書や残高照合書の見方、それに銘柄固有の情報です。

情報とはどんどん集めてどんどん処分するもの。なにしろ新鮮さが命だということをお忘れなきように。ちなみに情報informationには「知識」「消息」「データ」それに「密告」の意味まであります。

はじめに
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