商品先物取引の価格情報・レポート・市況・需給データ「日本ユニコム」
日本ユニコムこのレポートは平成21年12月15日(火)に、株式新聞に掲載されたものです。
日本ユニコム 菊川 弘之
OECD(経済協力開発機構)加盟国の在庫日数が90年代半ば以来の高水準と言う足もとの需給逼迫感がない状況下で、季節傾向に反してのNY原油堅調推移は、①ドル信認低下、米財政赤字の拡大懸念などから、相関の高い「金」に資金が流入したこと、②マクロ経済指標や好決算を受けた株価堅調よるリスク許容度の高まりなどが材料視される「金融相場」となっていたことなどが原因と考えられる。ただし、NY金(GOLD)が12月3日に史上最高値を更新した後、調整入りしたことで、WTI原油も今までのレンジ(75~80ドル)を下割れてきた。
目先はNY金の調整に追随する展開が予想される。WGC四半期報告でも確認されているように、投資需要が宝飾需要を上回る状況下、NY金のトレンド・価格水準は投資マネーの動きが大きな決定要因となっている。ここにきて最大の金ETFであるSPDRが1日の減少幅としては最大級の減少を見せており、金の調整局面入りを裏付けている。CFTC建玉明細でもファンドの買い越しが過去最高水準を記録しており、クリスマス~年末に向けてのポジション調整が予想される。ドバイショックに続き、ギリシャ・スペインの格下げからソブリンリスクが意識される中、ユーロが売られていることも商品市場全般の上値を抑える要因になっている。上昇要因の一つとなったリスク許容が収縮方向へ意識されてくれば、金上昇に追随して上げてきた商品市場も全体的に修正するだろう。
ただし、FOMC声明では「FF金利を長期間、異例に低水準とすることが正当化される可能性が高い」とされ、全般的なドル安傾向は続くと思われ、景気の2番底懸念も考慮すると、短期的な買われ過ぎ感からの調整後は改めて「金」が評価される流れに戻るだろう。また、22日のOPEC総会での生産目標据え置きが、現在の市場コンセンサスだが、7月安値(58.32ドル)を割り込むような動きとなれば、減産を示唆する動きが出てくる可能性もある。さらに、ここ数年、ロシアと欧州間の天然ガスパイプライン問題が年初に浮上している点にも注意したい。米国によるアフガン増兵が決定したが、第二のベトナム化も懸念されており、地政学リスクの再浮上にも注意したいと考える。気温低下が材料視されやすい時間帯に向け、70ドルを中心としたレンジ相場へ移行するのではないか。

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