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商品別基礎知識【粗糖】

粗糖の基礎知識

  1. 商品特性

    砂糖はサトウキビやテンサイから作られます。かつて西洋では甘味料と言えばハチミツのことでしたが、ローマ時代にインドのサトウキビが伝えられ、帝国主義の時代を経てその消費が拡大しました。日本でも江戸時代に入り砂糖の消費が拡大し、国内での栽培が始まりました。

    サトウキビ(ケーン・甘しゃ)の絞り汁を沈澱させた上澄み液を煮詰めて結晶にして、これを遠心分離器で分離した物を粗糖と言います。

    粗糖は白砂糖やグラニュー糖などの原料となる物で、茶色または黄色の結晶です。糖度は96-99%ですが、まだかなりの不純物や土砂などを含むため、そのままでは食べられません。

    白糖はテンサイ(ビート・砂糖大根)からも作られますが、これは白糖に加工された形で流通しています。

    サトウキビは新たに植えてから生育まで1年半かかり、その後は1年ごとに収穫できますが、年々糖度が低下するため3-5年ごとに植え替えられます。

  2. 需要

    国内でも砂糖はサトウキビが沖縄県で、てんさいが北海道で生産されていますが、国内だけでの生産では消費分を満たすことができないことからオーストラリア、タイ、キューバなどから輸入しています。

    主な砂糖消費国はインド、米国、ブラジル、中国、ロシア、メキシコなどですが、国内での生産もあるため、主な輸入国としてはロシア、中国、米国、日本、イギリス、韓国などが上げられます。ただ、インドに関しては消費量が桁違いに多いため、天候不順で生産が激減すると緊急避難的な輸入を行うことがあります。先進国の需要が伸び悩んでいる反面、アジア、特に中国などの消費拡大が期待されています。また、ブラジルを中心にエタノール用としても需要があり、その利用拡大が注目されています。

  3. 供給

    世界の砂糖総生産量の約65%をサトウキビが、約35%をテンサイが占めます。生産の分布を見ると、熱帯・亜熱帯地域の約80ヶ国がサトウキビを、温帯の涼しい地域では約40ヶ国がてんさいを生産しています。

    粗糖生産国ベスト5

    主な生産国はインド(サトウキビ)、ブラジル(サトウキビ)、米国、中国(サトウキビ)、タイ(サトウキビ)、オーストラリア(サトウキビ)、メキシコ(サトウキビ)、フランス(テンサイ)などです。

    ただ、国内で消費される分もあるため、主な輸出国はオーストラリア(サトウキビ)、タイ(サトウキビ)、ブラジル(サトウキビ)、キューバ(サトウキビ)、フランス(テンサイ)などになります。地域としては欧州の動向も注目されますが、特にブラジルの生産高の増減は価格に大きな影響を与えます。

    また、砂糖は農産物のため天候によって収穫量が変化します。産地が世界的に分布しているため局所的な天候の影響は相対的に小さな物となりますが、タイ、キューバ、ブラジルなどの天候は注目されます。特に干ばつとハリケーンが悪影響を与えるほか、収穫期の長雨が糖度を低下させることもあります。

  4. 流通

    砂糖の特徴のひとつに、各国の政策によって大きな影響を受けることを上げられます。

    米国では経済援助の一環として、友好国に対して低率関税適用の輸出枠を与え、国際価格より高い価格で輸入しています。

    EUは域内生産者を保護し、最大の白糖供給地域となる反面、旧植民地である生産国からEU域内価格(国際価格より高水準)で一定量を輸入しています。

    キューバはその生産の大半を旧共産圏とのバーター取引に向けています。そのため、ロシアや中国への引き渡し量が減少する場合には自由市場への売却量が増加します。もっとも、ロシアや中国の需要量が変化するわけではないので、これらの国の自由市場への買い付けが増加することになります。

    ブラジルはサトウキビから燃料用アルコール(ガソホール:ガソリンにサトウキビから取れるエタノールを10-20%加えた自動車燃料、ガソリンより割高。)も生産されるために、原油市場の動きも注意されます。

    このような規制下での流通が殆どを占めるため、逆に自由市場へ減産や増産の影響が増幅されることがあります。

  5. 変動要因

    日本はタイ、フィリピン、キューバ、オーストラリアなどから砂糖を輸入しています。中でも、タイオファー価格の推移が注目されます。また、各国の砂糖政策も有力な要因となります。かつて、ソ連の崩壊を受けてキューバとの関係が消滅した際には、その分が自由市場に出されて市場を圧迫するのではないかと見られました。しかし、キューバは高コスト下で生産を続けていたために、逆に生産量が減少することになりました。

    粗糖の輸送には船が使用されるため、季節風やストライキの影響で港湾施設が使用できなくなった場合には需給がタイトになります。

    近年では砂糖の需給は緩和されていますが、自由市場での流通量は全体の生産のごく一部であり、そのために短期・長期に関わらずひとつの要因による影響が拡大されることがあります。また、このような市場構造から、低コスト生産国のコストを下回るような水準が続いたあと、7-10年ごとに価格の急反発が起こること(シュガーサイクルといいます)があります。

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