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商品別基礎知識【白金】

白金の基礎知識

  1. 商品特性

    白金は金や銀と違い、歴史の浅い金属です。パラジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、イリジウムなどの白金族元素(PGM)に分類されます。これらの金属は性質が似ているために工業用に比較的似た利用の仕方がされています。

    白金は、金同様に空気中・水中において腐食したり、変質したりすることはありません。また融点は1,770度と高い上に、優れた触媒作用を持っていることから、主に工業用として使用されています。中でも排気ガス除去用の需要が多く、特に自動車に利用されます。

    一方、東アジア地域、特に日本では宝飾用の需要が高く、ダイヤモンドの光沢を引き立てる上品な白色が高品位のプラチナ・アクセサリーの人気につながっています。

  2. 需要

    白金は主に宝飾品、自動車触媒、投資、ガラス、化学、電気などの各分野に使用されています。

    宝飾品の分野は全体の3分の1前後を占めています。特に中国、日本で消費されており、最近は高品位のプラチナジュエリーに人気があります。

    工業用需要の中では、自動車触媒が最も多く使用されており、需要全体の3割程度を占めています。排気ガス処理用として搭載されるために、排ガス規制の有無が需要を左右します。2000年以前はパラジウムを使用した触媒のシェア拡大によって、白金の触媒需要は伸び悩みましたが、パラジウムの高騰やロシアからの供給が不安定になったことを背景に、パラジウムから白金への触媒需要のシフトが進みました。また、環境負荷の低いクリーンエネルギーとして注目を集める燃料電池にも白金が使われており、今後燃料電池の普及によって白金需要は拡大すると考えられています。

    電子・電気需要は、パソコンのハードディスクの大容量化に伴って増加しています。近年ではDVDレコーダー用のハードディスク需要が拡大傾向にあります。

    ガラス用の割合は比較的小さいものの、高品質なガラスへの需要はパソコンのディスプレイや高品位テレビのモニターの人気を受けて増加しています。

    投資用にはコインやスモールバー(重量10トロイオンス以下の地金)に人気があります。民間で直接に買われて退蔵される以外に、日本では定額購入の積み立てによる小口の投資者も増加しています。

  3. 供給 世界の主要白金鉱山分布

    白金の生産は年間180トン前後と、金に比べて14分の1程度しか産出しません。主に南アフリカ、ロシア、北米などの国で産出されますが、生産量の9割前後を南アフリカとロシアが占めています。産出形態としては、バイ・プロダクション生産、PGM鉱石生産、純白金生産の3つがあります。

    バイ・プロダクション生産は、火成岩脈中の磁硫鉄鉱から、銅、ニッケル、クロムなどの副産物として産出される形態であり、南アを除くほとんどの主要鉱山はこの形態をとっています。特にニッケルの副産物として産出されることが多く、カナダやロシアでは、ニッケルと白金の生産量が相関関係にあります。

    南アフリカは世界最大の白金生産国です。その鉱山はトランスバール州のブッシュ・ベルト鉱区に集中しており、この場所は同国で金鉱山が集中するゴールデン・アーク地帯の北に位置しています。同国の白金のほとんどがアングロ・アメリカン・プラチナム、インパラ・プラチナム、ロンミン、ノーザムの4社によって生産されています。これらの鉱山は、政情の不安などを背景にしたストライキや設備改善の遅れなどから高コスト下での生産を余儀なくされていますが、その豊富な推定埋蔵量から将来的には増産が期待されています。

    ロシアでは、シベリアのニッケル精製施設であるノリリスク・ニッケル・コンビナートが生産の拠点として上げられますが、公式な生産量は明らかにされていません。生産設備の老朽化による生産減少を、今までの国家備蓄からの取り崩しを放出することで補っていると考えられていますが、その備蓄に関してもほとんど残っていないのではないかと推測されています。同国の白金は主に日本向けへ輸出されています。

    北米ではカナダのサドバリー鉱山、ラグラン鉱山、ラク・デス・イレス鉱山や合衆国のスティルウォーター鉱山が中心ですが、同地域では生産よりも消費の方が遥かに大きいことが特徴となります。

    さらに、一度使用された製品から再生される二次供給もあります。主に自動車触媒からの回収などがあり、今後の拡大が期待されています。ただ、金や銀と比べて回収ルートが未整備で、コストが高いことが障害となっています。

  4. 流通

    白金は再生回収される以外は、ほとんど輸入に頼っています。日本の主な輸入先は南アフリカとロシアで、特にロシアとは年間契約で買い付けをしています。ロシアからは、通常年末から年初にかけて代表団が来日して年間の輸出交渉を行います。他の輸入先としては米国、英国、スイスが上げられますが、その割合は大きくありません。

  5. 変動要因

    白金の価格は様々な要因を受けて変化します。特に供給を南アフリカとロシアという政情不安定な地域に依存しているために、これらの国の動向が注目されています。

    南アフリカは長かったアパルトヘイト(人種隔離)政策の解消という、安定と繁栄への一歩を踏み出しましたが、その成果を得るためにはまだ多少の時間を必要としているようです。

    南アの鉱山会社では、例年7-8月に労使間の賃金交渉があります。アフリカ民族会議(ANC)の支持基盤として労働組合会議(COSATU)の発言力は強く、例年この動向が注目されます。また、高コスト体質からの脱却のために新規の鉱山開発や鉱山設備の改善が求められています。

    新規の鉱山開発や鉱山設備の改善が求められているのはロシアも同様です。特にノリリスク・コンビナートの設備の老朽化は深刻な問題となっているようです。一方、ロシアからのPGM輸出を担当するのがロシア貴金属輸出公団(アルマズ)です。ロシアにとってPGMは有効な外貨獲得手段であるため、白金価格が高値圏にあると、スポット市場でのアルマズの売却が増加することがあったが、近年ではロシアからののスポット売却は小口で行われることが多くなっています。

    白金の需要は先進国と中国に偏っていることから、これらの国の景気動向によって価格が動くことがあります

    また、自動車触媒用や燃料電池触媒用の技術開発も市場に影響を与えることがあります。

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