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商品別基礎知識【小豆】

小豆の基礎知識

  1. 商品特性

    小豆は古くから栽培されている雑豆の一種であり、その赤色から慶事に特に多用されるほか、和菓子の餡に多く使用されます。その色は赤褐色、いわゆる小豆色の物が多いですが、品種によって黒色、緑色、灰白色などの物もあります。その成分は脂質が少なく澱粉質が多いのが特徴で、特に餡の製造に向いています。中国名は赤小豆、紅豆です。

    小豆は本来温暖な気候を好む植物なので、気象の変化が収量や品質に大きく影響しますが、近年ではエリモ種(寒さに強く収量も多いが小粒)の開発など、品種改良が進んでいます。

    先物市場へは戦前から上場されていますが、戦後はそのダイナミックな動きから人気が高まりました。

  2. 需要

    日本は小豆の最大の需要国です。食生活の変化から消費量は減少してきましたが、近年では健康食品として見直されています。全体としての需要は安定しています。

    小豆の用途は製餡用が7割近くを占め、他は甘納豆や煮豆などの食用に使用されます。ただ、小豆だけで作られた餡は上級品で、単価を下げるために他の豆を使うことがあります。その場合、餡の色付けに使用される小豆(赤竹小豆、タイ産など)の供給が減少すると小豆全体の需要は増加します。また、餡の原価の半分近くが砂糖の価格なために、小豆の価格が変動しても短期に需要は変化しません。

    近年では海外の工場で製造された加糖餡の消費が増えています。重量で比較して加糖餡の3が原料小豆の1に相当します。

  3. 供給

    小豆は日本のほか、中国、タイ、カナダ、米国などで栽培されていますが、海外では生産統計はありません。日本では国内の生産で足りない部分を海外から輸入しています。

    国内の場合、その産地は北海道、青森、岩手、栃木、京都、岡山などが主な産地です。全生産量の8割程度を北海道産が占めるため、その作柄が注目されます。他の産地の小豆はほとんどが自家用に消費されます。

    北海道支庁別小豆生産高ベスト5

    北海道の主要産地は十勝、上川、空知、後志、石狩、胆振、桧山などです。特に十勝、上川はその収量の多さから注目されます。

    北海道では作付が5月中旬から下旬にかけて、発芽が6月上旬、7月中旬から8月上旬に開花して、9月中旬から10月上旬にかけて成熟して収穫を迎えます。小豆は元来亜熱帯植物であるため、その全段階で温暖な気候を必要とします。そのためこの時期の気温の推移をグラフにした物が作柄の指標として用いられます。作付から成熟期にかけての気温が平均で摂氏18度を下回ると作柄に影響します。逆に20度以上となれば平年以上の収量が期待されます。また、雪解けが遅いと作付が遅れるほか、発芽期の晩霜は幼芽をさせてしまいます。さらに、秋の早霜は小豆の成長を止めてしまいます。また、日照時間や降水量も重要です。

    輸入小豆は中国の天津小豆(河北省)の物が中心となります。他の地域でも栽培されますがその動向はよく分かりません。近年では貿易自由化の流れを受けて輸入が増加していますが、農水省が春と秋に設定する輸入割当量がその年の小豆輸入量の目安となります。実際の輸入は指定業者ごとに割り当てが決まっていて、輸入割当を超える輸入には2次関税が適用されますが、これを支払えば指定業者以外でも小豆の輸入ができます。

    加糖餡は中国、台湾、フィリピン、韓国などから輸入されています。

  4. 流通

    全国に流通している小豆は北海道産が中心で、次いで輸入小豆となります。

    北海道の小豆はホクレンなどが集荷して全国に販売されます。そのため農家からの買い付け価格や集荷作業の進展が注目されます。また豊作などで荷余りの状況になった場合には在庫凍結が行われることもあります。

    輸入小豆は指定業者ごとに輸入され、販売されますが、市場の動向によっては大手商社が先物市場で売却することがあります。また、生産国の事情によって輸入契約が実行されなかったり、船積みが遅れたりすることもあります。

    また、流通の過程で産地の供給に関わらず、消費地での需給がひっ迫することもあり、消費地在庫の状況が価格に大きな影響を与えることもあります。

  5. 変動要因

    小豆の価格は主に作柄、在庫、輸入の状況によって決定されます。全体としての需要が安定しているため、特に供給事情が注目されています。

    作柄は5月から10月上旬の天候が注目されるためにこの時期を天候相場期といいます。

    年度末(9月)から新穀の収穫完了までの期間は端境期とされ、前年からの繰り越し(旧穀)在庫が注目されます。また、取引所が発表する月末在庫は消費地の需給を示すために重要です。これには産地買い付けと移送、輸入、販売の状況が示されます。

    輸入は中国からの物が中心で、主に春と秋の広州交易会で成約されます。ただ、産地の状況によって履行がされなかったり、遅れたりすることがあります。また加糖餡の輸入状況も注目されます。

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